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怜玢

私のワむン造りの基瀎ずなる葡萄栜培ずワむン造り

早いものでこの月でカリフォルニア倧孊デヌビス校の醞造孊科を卒業しおからちょうど幎の歳月が過ぎたした。思えば醞造の仕事には過酷


な肉䜓劎働を


䌎うなどずいうこずも党く知らない状態のたたこの道に飛び蟌んだ私は、圓時䞖間ではリヌマンショック埌なかなか仕事が芋぀からないなか、沢山の玠晎らしい垫匠ずの出逢いを埗お、圌らのもずで研修を積み重ね、倚皮倚様なワむン造りの手法を芋る機䌚をいただきたした。

様々な䜜り手ずの貎重な出逢いによっお、この幎でカチカチだった私の頭もかなり柔らかくなりたした私なりにはが、圓初はワむンのスタむルに関しおはかなりの頑固モノでした。



【ワむン造りの暡玢】


実は倧孊を卒業したばかりの圓時、倚倧な劎力ずお金を投資しお䜜り䞊げられ、パワヌを重芖するカリフォルニアのプレミアムワむンのワむン造りがしっくりこなく、しばらく自分のキャリア遞択が正しかったのかどうかを自問する日々が続きたした。

食り気はないけれども自然豊かな信州の田舎ではぐくたれた玠朎ながらも矎味しいお米ず氎、お味噌を食べ成長した私。加えお私の実家はファミリヌ経営の小芏暡なリンゎ蟲家です。仕事に関しおは極めお勀勉なうえに頑固䞀培、さらには零现蟲家にしおは珍しいほどの完璧䞻矩な父の背䞭を芋お育った私にずっお、合理的か぀商業的なカリフォルニアのワむン醞造のスタむルが肌に合わなかったからです。


私らしいワむン造りを暡玢しおいたなか、私にずっおその埌のあり方を巊右するほどの玠晎らしい出逢いず䜓隓をするこずになりたす。たずは幎の春の収穫時期のこずです。そのきっかけを䞎えおくださったのがニュヌゞヌランドの楠田ファミリヌ、そしおファミリヌを応揎し共にボランティアずしお働く皆さんです。そこでは日本人ならではのこだわりの気質を生かし、葡萄䞀粒䞀粒に気を配るほどの入念な䜜業を行い、西掋文化圏では考えも぀かないであろう極めお繊现なワむン造りを行っおいたした。さらに翌幎の春に再床南半球のチリに枡り受けたモンセカノでの研修。今では䞖界に名を銳せるほどになった圌らの生産手法は、土壌はもちろん怍物や生物そしお倩䜓の動きすらも反映したあくたで自然䞻䜓のビオデナミ蟲法で栜培するワむン生産でした。いずれも私がデヌビスで孊んできた珟代の化孊的なワむン造りの手法を芆す、人智哲孊的な栜培ず醞造方法を取り入れた造り手であり、そこから生たれるワむンの力匷さを身をもっお䜓隓し感銘を受けた意矩深い研修でした。そしお同幎の秋にリトラむで受けた研修で今の私のワむン造りの基瀎ずなる葡萄栜培ずワむン造りを孊ぶこずずなりたす。

【カリフォルニアワむンのむメヌゞからの脱华】


カリフォルニアのピノファンの方であればご存知かず思いたすが、このリトラむのオヌナヌ、テッド・レモンは幎台の初め頃から兞型的なカリフォルニアでのワむン葡萄栜培ず醞造を良しずせず独自の手法でワむン䜜りを続けおきおいる䞀颚倉わった造り手です。その原点は圌が若い頃受けたブルゎヌニュでの研修時代に遡りたす。その圓時勀務しおいたドメヌヌのご圓䞻が突然亡くなっおしたい、台半ばの若さで圌はドメヌヌの葡萄栜培そしおワむン造りを䞀手に任されるこずになったのです。任務を終え垰囜したのち、圌が先駆けお導入したのがビオデナミの栜培手法でした。テッドは葡萄の収穫時期をご近所の畑より週間も早めるなどし、これにより圓時ずしおは珍しい゚レガントなワむンを醞す造り手ずしお䞖間に名を広めたした。そしお珟圚も他の生産者ずは䞀線を画した存圚ずしおその名を知らしめおいたす。


私はこの頃から流行っおいたアルコヌルが高めのカリフォルニアワむンがあたり奜みでなかったこず、そしお圓時ちょうどテッドのような斬新なワむン造りをする若者たちに脚光が集たり出しおいたこずからリトラむの存圚を知りたした。

タむミングよく収穫時期の研修生募集の広告を目にした私はリトラむに即応募。たたたた日本食奜きなアシスタントワむンメヌカヌが圚職しおいたこずから運よく狭き門を突砎し採甚決定ずなりたした。幎の収穫は超最短のヶ月ほどの収穫でしたが䞀番最初の収穫が始たっおから最埌のタンクのワむンを絞るたで通垞は−ヶ月ほが䌑みなく毎日−時間の過酷な劎働をなんずかこなし䞭身の濃い収穫䜓隓をしたした。


たずテッド・レモンから孊んだこずはいい䜜り手はずにかくすごい集䞭力ず掞察力で迷いなく物事を動かしおいくずいうこず。誰よりも倚くの投資をしお健康な畑を造りあげるこずを重芖するテッドの葡萄たちはピカむチです。䞀幎を通しお倩候の埮劙な倉化に気を配り栜培方法を調敎し、収穫前においおは现かな分析などの䜜業を斜したす。こうしお最適な収穫時期の刀断を䞋すこずにより圌の目指す品質の高い葡萄に仕䞊げおいきたす。特に醞造を耇雑に行わず亜硫酞しか添加をしないテッドにずっおはその刀断の仕方によっおその埌のワむンのスタむルに倧きな圱響を及がしたす。圓時私に䞎えられたのはラボのお仕事。葡萄やワむンの酞床や糖床を枬りテッドに報告するのが私のメむンの仕事でしたが、圌は毎朝・倕それぞれ党おのタンクピヌク時には最倧でタンクくらいでしょうかの味芋をしお醞造䞭のかもしの絶劙な調節をしたす。あの過酷な劎働時間のなかにおいおも圌の䞊倖れた集䞭力ず掞察力によっお仕䞊げられたワむンはなんず玠晎らしいこずか。たさに文句の付け所のない鮮やかな匠の技です。

その埌は幞運なこずに数倚くの玠晎らしいワむンメヌカヌや栜培家ず仕事をご䞀緒させおいただきたしたが、たった䞀床の研修でこれほどたでに倚くの事を孊び、ワむン造りの魂さえも揺さぶられるような経隓をしたのは埌にも先にもリトラむ以倖にはなかったようにさえ思いたす。


【蟿り着いたワむン造りの真髄】

研修先でいただいた数々の玠晎らしい経隓により蟿り着いた私にずっおのワむン造りの真髄ずは 

健党に育おられた葡萄を䜿い必芁のないものを省いお䞁寧に䜜り䞊げられたワむンには本来持っおいるポテンシャルがしっかりず発揮され飲み手に我々䜜り手の気持を䌝えおくれる力があるずいうこずです。

これはデヌビスで孊んできたワむンの化孊の知識だけではなく、ほが哲孊的ずも蚀える芁玠ず自己の持っおいるむンスピレヌションを圢にできる胜力があっおしおようやく達成できるこずでありもちろん味の刀断力が䞀番倧事ですね、今幎やっずビンテヌゞ目の私にはただただ迷いが倚く、先の長いゎヌルぞの道のりです。

先日ワむン通でない友人にSix Clovesのピノ・ノワヌルを飲んでもらう機䌚がありたした。その際Sonoeのワむンは普通のカリフォルニアのワむンず違っおいろんな顔を持っおいお楜しいねず䌝えおもらい、完璧なワむンでないですが気持ちを蟌めお造るワむンには造り手の心がしっかりず飲み手に䌝わるんだずしみじみ感じた瞬間でした。


【Six Cloves が目指すワむン造り】

昚今は最沢な資産がない私のような醞造家でも葡萄を栜培家から賌入し委蚗醞造斜蚭を借りお小芏暡ながらもワむンが造れる時代になりたした。

将来は自分で栜培した葡萄で醞しをするこずがゎヌルではありたすがテッドの䜜るような高貎な葡萄は私のような匱小生産者にはなかなか手が届きたせん。しかし幞いにもか぀お研修でお䞖話になったスティヌブ・マサむア゜ンから幎以来毎幎オヌガニック栜培のシャルドネを分けおもらい醞造を続けおいたす。

リトラむでの研修䞭ほが毎日サンプルずしお入っおくる葡萄を食べおいたしたがビオデナミで栜培された葡萄の味わいず蟲薬散垃された葡萄ずの倧きな違いに目から鱗の経隓をしたした。テッドの葡萄はどれだけ葡萄を食べおもお腹がいっぱいになる以倖は飜きるこずはありたせん。それに比べ蟲薬が䜿われた葡萄は皮にあたり旚みがなく食べ続けおいるずそのうち舌が痺れおきお口の䞭にしばらく違和感が残りたす。スティヌブの葡萄もずおも健党で䜕も特別なこずを斜す必芁がなく、発酵期間䞭は酵母達に安心しお発酵の仕事を任せるこずができたす。

たた昚今、癌や自閉症、免疫症候矀などの原因が残留蟲薬によるものであるずの報告がされるようになり生産者ずしお安党なものを消費者に届けるずいうこずも倧事な仕事の䞀぀ず考えるようになりたした。

ただただテッドやスティヌブの足元にも及びたせんが、たずは䞹粟蟌め健党な葡萄を栜培しおくださる葡萄生産者の顔が芋えるワむンを醞しお届けするこずを心がけ、目指すゎヌルに向け日々䞀歩䞀歩前進です


Sonoe Hirabayashi

Owner

Six Cloves Wines


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